Q設 12. 高力ボルトの長さ選定基準。

 部材の接合に用いるボルト長さは、JIS B 1186による首下長さで表し、締付け長さ(締付けられる部材の総厚さ)に “規格編 表2”に示す長さを加えたものを標準とします。
 ボルトの長さは、JIS B 1186の付表1「基準寸法」により5㎜ピッチで規定されており、実務上は算出寸法に最も近いもの、すなわち2 捨3 入又は7捨8入した長さの高力ボルトを選定して下さい。
 高力六角ボルト、トルシア形高力ボルトともに上記の基準によりボルト首下長さを選定すれば、長さの過不足による締付け不良や、鉄骨面から突出量が過大となって施工上の安全性や耐火被覆の取り付けに重大な支障となることはありません。
 これ以上長いボルトの使用は、ナットにボルトの不完全ねじ部がかからない事を確認した場合には、規定値より5mm長い首下寸法のボルトを選定してもよいことになっています。また、短いボルトの使用は、ナットに対するボルトねじ部のかかりが不完全となり、張力(軸力)の導入によりナットねじ部に変形を生じて、ナット抜けを起こす原因となりますので使用できません。

図6