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Q規 10. 座金の表面粗さを面取り側のみ規定している理由。

 座金には、片側のみ面取り加工が施される規格となっています。この座金を高力六角ボルトに使用する場合、面取り部がボルト首下(r)と干渉しないように注意する必要があります。また、ナット側に使用する場合についてもナットと接する側が面取り部となるように取付けます。(図1参照)
 ところで、高力ボルトとして特に重要な品質としては、トルク係数値があります。トルク係数値は、ナットと座金が接する部分とボルト・ナットのねじ面の粗さに影響を受けます。このためJIS B 1186 -1995、 JSS Ⅱ09-1996ではトルク係数値への影響を考慮して、ナットと接する面取り側の粗さのみ規定されていました。一方、面取りをしていない側は、被締付け材と接するためボルトの品質上の影響はなく特に規定されていませんでした。しかし、JIS B 1186-2013、JSS Ⅱ 09-2015の改定時には、むしろ座金の粗さを粗くした場合、共回り防止に有効な場合もあることから、粗さ規定は削除されました。なお施工時に座金の裏表を正しく取り付けることは引き続き重要ですので、誤解の無いようにお願い致します。