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Q規 20. 高力ボルトの脱炭の規定について。

 脱炭とは、炭素と反応する雰囲気の中で鉄鋼を加熱するとき、表面から炭素が失われる現象をいう。JIS B 1051 (炭素鋼及び合金製締結用部品の機械的性質)においては強度区分8.8 (8T相当)以上のボルトについて、ねじ部の脱炭深さが規定されていますが、JIS B 1186 及びJSS Ⅱ-09の規格では脱炭について規定されていません。
 脱炭層の深さが大きいと疲れ強さが減少することが実験で明らかになっていますので、繰り返し荷重を受けやすい機械部品等に使用される高強度ボルトには、熱処理時等に脱炭を生じることのないよう留意する必要があります。
 しかし、鋼構造に使用される高力ボルトの場合は、初期の導入張力(軸力)が大きいため繰り返し荷重がボルトに作用することが少ないので、脱炭についてあまり考慮する必要がありません。