FAQ  現在メンテナンス中です

Q規 21. 高力ボルトの品質上の有害でない表面処理とは。

 JIS B 1186解説によれば、
「ボルト、ナット及び座金の表面処理には防錆を目的とするものとトルク係数値の安定を目的とするものがあり、その種類も多く、それらの適否を決めることはむずかしい。従来、防錆に用いられてきたものにはその方法によってはトルク係数値を不安定なものとし、そのばらつきを大きくするばかりでなく、脆性の問題に対しても悪影響を与えることも考えられるので、従来のJISでは一般に表面処理は施してはならないとされてきた。
 しかし使用上の要求からトルク係数値を小さくし、安定させることが可能な表面処理は、有益と思われるので、そのような表面処理は有害な影響を与えない限り部品に施したほうがよいという積極的な考え方から1970年にそれまであった “原則として表面処理は施さない。…”を削除した。
 なお、製品の機械的性質を低下させないこと、気象条件または長期間放置による特性の変化が起こらないことを確認するなど、十分検討して施さなければならない。」とされています。
 以上のことから高力ボルトの表面処理には充分な注意が払われています。これはナットの潤滑処理についても同様です。
 また特にめっき工程では前処理ならびに電解工程において、水素が鋼中に侵入して水素ぜい化割れを起こす危険性があるので、酸洗いを極力避ける等特に慎重な配慮がなされて生産されています。