Q規 16. 高力ボルトの曲がりの範囲。
高力ボルトの曲がりについてはJIS B 1186及びJSS Ⅱ-09 に規定がなく、実用上は鉄骨部材の孔にボルトが挿入できる範囲であれば問題ないと考えられます。
一般的にTIR/2≦0.0025L+0.05(測定方法は、JIS B 1071ねじ部品の精度測定方法による。TIR は図3におけるダイヤルゲージの振れ幅)であれば問題ありません。
図3 曲がり測定方法(JIS B 1071 による)
高力ボルトの曲がりについてはJIS B 1186及びJSS Ⅱ-09 に規定がなく、実用上は鉄骨部材の孔にボルトが挿入できる範囲であれば問題ないと考えられます。
一般的にTIR/2≦0.0025L+0.05(測定方法は、JIS B 1071ねじ部品の精度測定方法による。TIR は図3におけるダイヤルゲージの振れ幅)であれば問題ありません。
図3 曲がり測定方法(JIS B 1071 による)
JIS B 0101 によると、下記のように解釈されています。
ボルト (bolt) :
一般にナットと組んで用いるおねじ部品の総称。
ねじ(screw) :
ねじ山を持った品物の総称。ボルトと対照していう場合はナットを組まないで用いるおねじを持った品物の総称。
JSS Ⅱ-09に合格判定値の締付け張力(軸力)が規格値として決められています。
これは、リラクセーションやピンテール破断時のトルク及びトルク係数値などを考慮した上で設計ボルト張力(軸力)を確保する観点から定められたものです。
尚、トルク係数値安定の為の潤滑性能が温度で若干変動することを考慮して、温度域によって2種類の規定となっていることに注意が必要です。
標準偏差の誤差規定として相対標準誤差8%以下と決められていますので、抜取数(n= 5)では標準偏差の誤差が大きくなり、真の標準偏差が得られないためです。
脱炭とは、炭素と反応する雰囲気の中で鉄鋼を加熱するとき、表面から炭素が失われる現象をいう。JIS B 1051 (炭素鋼及び合金製締結用部品の機械的性質)においては強度区分8.8 (8T相当)以上のボルトについて、ねじ部の脱炭深さが規定されていますが、JIS B 1186 及びJSS Ⅱ-09の規格では脱炭について規定されていません。
脱炭層の深さが大きいと疲れ強さが減少することが実験で明らかになっていますので、繰り返し荷重を受けやすい機械部品等に使用される高強度ボルトには、熱処理時等に脱炭を生じることのないよう留意する必要があります。
しかし、鋼構造に使用される高力ボルトの場合は、初期の導入張力(軸力)が大きいため繰り返し荷重がボルトに作用することが少ないので、脱炭についてあまり考慮する必要がありません。