Q施 31. 電動レンチが使用出来ず手動式レンチを使用した場合、追締めが必要な理由。
電動レンチと比べて減速比の違いと手動によるトルク導入方向も逆方向となる機構のため締付けトルクが入力分だけ小さくなります。
従って、手動式レンチは使用しないで下さい。
電動レンチと比べて減速比の違いと手動によるトルク導入方向も逆方向となる機構のため締付けトルクが入力分だけ小さくなります。
従って、手動式レンチは使用しないで下さい。
一度使用した高カボルトはいずれの締付け方法によった場合も再使用できません。
高力ボルトの締め付けは、高力六角ボルト、トルシア形高力ボルト、溶融亜鉛めっき高力ボルトとも1次締め、マーキングおよび本締めの3段階で締付けることになっています。
1次締めは部材の密着を意図するもので、ボルト呼び径に応じたトルクで行ない、マーキングは締付け後の検査において、ナットの回転量を目視で確認するためのものです。
1次締めトルクは、表5の数値程度(高力六角ボルト、トルシア形高力ボルト、溶融亜鉛めっき高力ボルトを併記した)を目標としますが、呼び径の5倍以上のボルト長さの継手部では、表5に示す値より大きめのトルクで1次締めを行う必要があります。
なお、1次締めトルクをレンチ内部でコントロールされた1次締め専用レンチを使用することを推奨します。
表5 各高力ボルトの1次締めトルク 単位(N・m)
一群のボルトの締付け順序は、図4に示すように接合部の中心から外側へ向かって締付けていきます。
本締めの一群とは、図4の例では上フランジ、下フランジ、ウェブのそれぞれを言います。従って、図4の場合は3群となります。
なお、仮ボルト(図5及び図6)の一群とは異なることに注意が必要です。
図4 本締めボルト締付け順序(JASS6による)
図5 仮ボルト締付けにおける一群の考え方(JASS6による)
図6 エレクションピースの仮ボルト(JASS6による)
再生方法はありません。
製造時の表面状態とは異なっており、新品の時の状態(特にトルク係数値)を保っているとはいえないので、いずれの締付け方法によった場合も使用してはいけません。
また、錆を落としてもトルク係数値に変化があるので使用できません。
トルシア形高力ボルト、高力六角ボルト、溶融亜鉛めっき高力ボルトのいずれにおいても、施工完了の目印であり管理のポイントといえます。
マーキングは必須であり、マーキング無しで締付けられたボルトは取り替えることになります。
① ボルト頭部にクロスひずみゲージを貼り付け、ボルト抜き取り時のひずみから張力(軸力)を推定する方法(ゲージ法)
② 超音波測定による、張力(軸力)測定(長さ方向・ナット直角方向法)
などがあります。
現在のトルシア形高力ボルトでは、0℃までの施工について基準化されていますがそれ以下になる場合、継手部の氷晶、レンチの作動、張力(軸力)のコントロール方法を検討し、施工に望むことが必要です。
溶融亜鉛めっき高力ボルトの締付け方法は、ナット回転法であり、締付け後の検査はナット回転量の確認となり、締付け後のトルク検査の必要はありません。